日本人は、お米のわずかな風味を見分けられるほど、繊細な舌の感覚を持っていると言われています。味にうるさい日本人の舌を満足させながら、より健康になれるよう研究している企業があります。それが味の素株式会社です。味の素は、うま味というこれまでなかった概念を世界中に広めた実績のある企業です。国内外で高い評価を得ている味の素は、どのような企業なのでしょうか。
味の素株式会社の基本情報
味の素は東京都中央区の京橋一丁目にある企業です。創業は1909年5月20日、設立は1925年12月17日です。現在の従業員数は、味の素株式会社単体では3,184名、連結企業を加えると33,461名と日本の食品企業の中では、トップクラスの規模を誇る企業となっています。
味の素の創業のきっかけは、1899年に池田菊苗博士がドイツへ留学した際の驚きがきっかけとなります。1899年当時の日本人は、現在のような体格や栄養状態ではなく、一言でいうと貧相でした。当時のドイツ人の体格と栄養状態とは雲泥の差だと言えます。そのことに驚いた池田菊苗博士は、何とかして日本人の栄養状態を改善しなければと強く思うようになりました。日本に帰国後、池田菊苗博士によって様々な研究が行われました。その強い思いを受け継いだ二代鈴木三郎助さんによって世界初のうま味調味料として味の素が発売することができました。今では当たり前となっている味の素は、100年以上前にすでに発売されていたのです。
味の素株式会社の主力事業
味の素は、これまでの研究結果を活かしコンシューマー食品とアミノサイエンスという2つの分野で活躍している企業です。コンシューマー食品では、戦前から日本人の健康をサポートしてきた食のリーディングカンパニーとしての実績や経験を活かし、食の分野で大活躍しています。味の素に代表される風味調味料だけでなく、冷凍食品やスープ、スポーツドリンクなど幅広い商品の開発、販売を行っています。
アミノサイエンスの分野では、味の素グループが長年にわたって研究してきたアミノ酸を使った事業展開をしている分野です。世界には、他にもアミノ酸を研究している企業はありますが、味の素は、世界No.1のアミノ酸メーカーとして認知されています。国内外に30近い工場を所有し、20種類近いアミノ酸を大量生産し続けています。アミノ酸研究を通じて、バイオ医薬技術の開発も行っています。中でもペプチドの大量製造を可能にした研究や、リゴ核酸の安定供給に成功するなどの研究結果が、世界中から注目されています。
味の素株式会社のコスメ事業
味の素と言えば、食に関する研究が有名ですが、最近ではコスメ関係の研究も注目されているそうです。味の素が自信をもって発表しているジーノシリーズは、長年、美容成分としてのアミノ酸を独自開発してきた研究結果と、世界5,000社以上の化粧品メーカーに原料として提供してきた実績を活かした基礎化粧品です。
どんなお肌にもマッチするジーノシリーズの基礎化粧品は、年齢、性別を問わす愛用することができます。新型コロナウイルスの影響で、マスク荒れしているお肌であっても、問題なく使用することができるほど優しい仕上がりになっています。一般的なコスメブランドと比べて、知名度こそありませんが、非常にコストパフォーマンスの高い基礎化粧品として知られています。